姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

――豪勢なティータイムでそこそこお腹も満たされて、今は榛名聖とキッチンに並んで洗い物なんかしている。

「なんだか新婚さんみたいだねぇ?ひーちゃん?」

「いや、全然。」

見向きもせずに粛々と作業を続ける。

榛名聖も全くダメージを受けていない様子でふわふわと笑っている。


広瀬真と近江涼介は、これまたでっかいソファに座ってテレビ番組を鑑賞中。

家事経験0のびっくりバカ広瀬真が洗い物に手を出そうとしたのを、近江涼介が引きずって離していった結果だ。


「こーいうからかいにはハマらないよね~。
つまらないなぁ、俺。」

私が洗ったティーカップを受け取り、丁寧に布巾で拭き上げる。

ゆらゆらと揺れながら言った軽薄なセリフに、私はム、と口を歪ませた。

「あんまりうるさいと催涙スプレーかけるわよ。」

「わぁ⭐︎ホントに持ってきたんだ、その凶器。」

怖いなぁと口先では言うのに、へらへらしているから全くそう は聞こえない。


そう、榛名聖はいっつもへらへら、ふわふわ、ゆらゆら……

だから、初めて見えたコイツの背景に、ちょっと好奇心が湧いたりして。


「榛名聖にも兄ちゃんがいるの?」

上目に見つめる私の顔を見て、意外な質問だったのか榛名聖の目が一瞬だけ見開いた。


「……いるよ~。3人。
4人兄弟。俺は末っ子。」


4人!?少子化のこの時代に、大家族だ。

なんとなく一人っ子っぽいと思っていたから、それと真逆の家族構成に素直に驚いてしまった。
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