姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
PM 16:30
PM 16:30
放課後。
机に広げた教科書を素早く片付け、部活に走る生徒がいたり、談笑を楽しむ生徒がいたり。
こういうところは普通の高校と変わらないだろう。
例に漏れず清々した様子の広瀬真も、私の前の席でぐーっと伸びをして解放感を露わにしている。
そんな奴の背中を私は午後の間中睨みつけている。
「ゲッまだ睨んでんのかよ、しつこ過ぎるだろ…。」
それに気づいた広瀬真の表情がみるみるゲンナリしていく。
チート使ってぶん殴ってきた恨み、そんな簡単に晴れるわけがないのだ。
「バイ、…トリ?……たくさんの国のコトバ話せる広瀬くん、また明日デース。」
五カ国語話せる人を何リンガルと言っていいかわからず、若干キマらない。
だからその分思い切り顔を顰めて嫌味ったらしくカタコトの日本語を吐き捨てて、プイと顔を背けて帰ることにした。
「ガキかよ……。」
「子どもだねぇ。」
不機嫌な私の背中を、可笑しそうに笑う榛名聖と苦笑いの広瀬真が見送った。