姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
「まーくんはぁ、5月だっけ?誕生日。」
勉強タイムを邪魔された遺憾を示すように、広瀬真がチッと大きくため息をついた。
「5月18!」
ぶっきらぼうに言い捨ててまた勉強に戻ろうとする。
しかしそれを許す私と榛名聖ではないのだ。
「ウッソ、私より年上!?」
「ねー、信じらんないよねぇ。」
「うるせぇえ!数ヶ月違いに年上もクソもあるか!
涼介!お前はいつなんだよ!?」
広瀬真を弄って遊ぶ会を発足した私達のウザ絡みに救いを求める様に、広瀬真は近江涼介に話題の矛先を向ける。
自ら蚊帳の外に出て存在感を消していたところに急にスポットライトが当たり、近江涼介は本のページを捲る手を止めた。
「……………12月3日。」
視線を本に落としたまま、淡白に答える姿に全員黙る。
どうしてか暗く落ち込んでいる様に見えたから。
――自分が生まれた日を教えるだけのことなのに、言いたくないことだった?
気まずい空気に私と広瀬真、榛名聖はそろりと目を見合わせる。