姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
Ep.84 バトル開始!
ことの発端は3日前、傑兄ちゃんの一言から始まった。
「兄貴、明々後日暇?ちょっと海でバイトしない?」
誰かとの通話を繋ぎながら、自室にいた傑兄ちゃんがリビングに入ってきた。
(海!?バイト!?)
「友達ん家の親戚が海の家やってるらしくてさー。
なんかその日バイトが全く捕まらなくて困ってるらしんだよねー。」
洗い物をしている渉兄ちゃんが手を止めて予定を確認しようとするより早く、ソファで寝転がっていた私は勢いよく跳ね起きた。
「それって友達同伴アリなの!?」
目を輝かせて身を乗り出した私に、傑兄ちゃんは珍しく苦笑いをした。
「姫には言ってないよー……。
兄ちゃんがそんな危険な場所に可愛い妹を連れていくわけないだろー?」
まだ通話相手と繋がったままのスマホ片手に、気まずそうに私の頭をよしよしと撫でて落ち着かせようとする。
小さい子どもじゃないんだから、そんなことしても無駄なのに。