姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
「聖くん、焼きそば2つ上がったよー。」
渉の声に気付いて、女性客と談笑していた聖がカウンターへと戻ってくる。
「かなり長めに捕まっちゃってたんで助かりました〜。
安定感ある渉さんとペアでよかったぁ。」
焼きそばを受け取って清々しい笑顔で榛名聖は言った。
聖視点では、涼介は愛想がない割に人を呼び寄せるからフォローが大変。
真は一般常識が通用せず、姫・傑はコントロール不能の暴れ馬。
――つまりハズレクジが多すぎた。
そこをなんと唯一のアタリを引き当てたのだから、晴れやかな気持ちになるのも当然なのである。
「聖くん目当てのお客さんばかりだから、ある程度の雑談は仕方ないよね。
調整は俺がするから、聖くんはたくさん注文とってきてね。」
「はーい、了解で〜す⭐︎」
渉と聖はにこやかに笑い合う。
そこに爽やかさはなく、なんとなく黒いオーラが漂って見える。