姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

***

花火が次々と上がっては消えていく。

見物客はみんな河川敷に収まったのか、さっきまでの人混みが途切れて人通りがまばらになった。

「やっと見つけた〜!
もー聞いてよまーくんってば何回も道間違えて、おかげでこーんな遅くなってぇ……」

花火が上がり始めて最初のスターマインが終わった頃、綿飴にお好み焼き、他にも色々な屋台飯を抱えながら榛名聖と広瀬真がズタボロになって走ってきた。

道間違えた割にはめちゃくちゃエンジョイしてない??

「聖があれもこれもって寄り道しまくるからだろ!」

言いながら広瀬真も光る剣とかなんだか色々抱えている。
コイツら絶対遊んでたでしょ。

ただ、来てくれたのはホッとした。どう触れていいかわからない空気が強制的に緩んだから。

近江涼介も同じように思っているのか、感情の揺れが収まっていつもの凪のような無が戻っている。
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