姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
「植木鉢を落として怖がらせれば、奴らの取り巻きのせいだと勘違いしてH2Oと距離を置くと思ったのに――……!
姫ちゃんが全く気付いてくれないから、今日は単刀直入に言わせてもらうよ。
ヤツらとの交際はやめるべきだ!」
――は?
辛うじて声は出さなかったものの、顔はものすごく歪んでいたと思う。そのくらい忠告とやらは不可解なものだった。
「奴らは女を侍らせて喜ぶような、とんでもないヤリ●ン集団だよ!女を道具のように扱って、飽きたらポイ捨てするような血も涙もない奴らなんだ!
汚い奴らに僕達の天使、姫ちゃんの純情を穢されるなんて、僕らは耐えられないんだ………!!」
胸に拳を作って早口で力説するモヤシ。周りのジャガイモ達もうんうんとしつこく頷いている。
ちょっと待って。ツッコミどころがありすぎる。
とりあえず、お前らの姫ちゃんじゃねぇよ。
しかも純情を穢されるって何。キモ。気持ち悪いじゃなくて、キモっ。
しかも植木鉢アンタらだったのかよ。危うく死ぬところだったんですけど!
本気で引いてしまって絶句している間にも、モヤシやジャガイモのH2Oへの悪口は止まらない。
いかに女をポイ捨てしてるか、とか。
容姿を鼻にかけたナルシスト、とか。
寝不足の頭にネチネチした説教はガンガン響いていく。
一頻り喚いた後で、モヤシが得意げな顔をした。
「これでわかっただろう!?
奴らは純粋な姫ちゃんのことを何も分ろうとしない酷い奴だって!!」
ブツン。その言葉に、私の中で何かが切れた。