姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
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「ごめんね〜、藤澤ちゃん。
もともと俺達のこと変に敵視してる奴らがいたのは知ってたから、俺達も警戒してたんだけど〜……。
まさか藤澤ちゃんに何かするとは思わなくて。」
薄暗い旧校舎、いつもの教室。
紅茶を入れながら榛名聖は呑気にそう言った。
「ブスが俺等に絡んできてからアイツらの敵意が増したのも事実だし、ある意味自業自得だろ。
しかも自分からアイツらのたまり場に入ってくし。バカだろ。」
皮肉っぽく鼻を鳴らして笑う金髪。
その割にソファに座らせられた私にブランケットを投げつけてきたり、掴まれた手首が赤くなってたのに気づけば保冷剤を差し出してきたりと甲斐甲斐しい。
――曰く、モヤシ一味はH2Oに対してもともと“妬み”という名の敵意を持っていた。
かつ、藤澤姫を地上に舞い降りた天使として見守り、崇める会を勝手に創設していたんだとか。
……で、「H2Oと繋がりがあると、こんな怖いめに遭うんだぞ」って言う脅しのつもりで、植木鉢を落としたんだとか。
か弱い天使・姫ちゃんはこれでわかってくれるだろうと。
「あはは〜。俺、藤澤ちゃんの親衛隊って言っただけで崇めるとかそんなこと言ってないんだけどな〜。」
淹れたてのロイヤルミルクティーを手渡しながら、榛名聖は首を傾げる。
というかこいつら、ちょいちょい私の脳内ナレーションにツッこんでくるけど、なんでなの?