姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
Ep.14 腕の見せ所間違ってんぞ
午前中最後のプログラムは昼食作りだ。
今日のメニューはカレー。林間学校でカレーといえば、飯盒炊爨(はんごうすいさん)。
てな訳でクラスごとにいくつかのグループに分かれて、カレー作りをしているのだが……
「…………。」
野外の調理場から少し離れたところで、男だらけの人集りの中心見つめる真は呆気にとられていた。
――ピーラーなどなくとも、綺麗に丸く剥かれてカゴに収まるじゃがいも達。
短い時間で火を通すことを考慮して小さめにカットされたにんじん。
恍惚とした表情の男子たちの中心で、彼女は可憐に腕を振るう。
「すごいねぇ。
男子たちが電灯に群がる虫みたいにわらわら集まっていくねぇ⭐︎」
米の入った鍋を抱えて呆然と立ち尽くす真の背後から、聖がぬっと現れる。
その表情は真の表情に合わせる様に惚けさせるが、悪戯な好奇心が隠しきれず楽しそうだ。