姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

Ep.150 静かな火種



階段を降りてそこから1番近い部屋の真と別れた後、聖と涼介はのんびりと廊下を歩いている。

消灯間近でざわつく廊下では、静かな2人の会話は誰にも聞こえない。


「姫をけしかけて、何を探ってる?」

唐突に涼介が聖に聞く。

なんのことかと誤魔化す選択肢もあったが、涼介には通用しないか、と聖は素直に答えた。

「まだ自覚してないよね?って。
涼ちゃんもまーくんも。」

「それを知ってどうする?」

「どうもしないよ〜?どっちかと言うとどうもされたくないから注意して見てるだけ。

勝手に暴走されると困るんだよねぇ。
……ひーちゃんが傷ついちゃうから。」

< 577 / 874 >

この作品をシェア

pagetop