姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

お互いに息を切らせながら、仏頂面の女共と私は互いに視線を逸らし合う。

小学生の頃の血が騒いでしまった。
ある程度大人になった者同士の取っ組み合いが、こんなに大変だとは思わなかった。

ジャガイモ達は喧嘩に巻き込まれないように、離れたところでバードウォッチングをしている。
肝心な時に加勢しないとか、本当に情けない奴らだ。

「……トイレ!」

――この空気の中にいたくない。

でもいざる負えないから気持ちを切り替えるために、一旦この場から離れる。


鏡の前で乱れた髪や制服の裾を直してから元いた場所に戻ると、女共もジャガイモ達も綺麗さっぱりいなくなっていた。

「……やられた。あの野郎……!」

置き去りとかみみっちいことして仕返しのつもりなんだろうか?

関係ないジャガイモ達まで巻き込んで人のことハブるなんて、本当にやることが汚い。

コースはわかってるから地図アプリ使えばすぐ追いつけるけど、とスマホを取り出すと電池が切れている。

そういえば昨日ほぼ寝落ちみたいな感じで寝たから充電し忘れたんだった。

「まぁいいか。なんか疲れたし……。」

急に怒りもおさまってどうでもよくなってきて、近くのベンチに座り込む。
あのまま班行動したってギスギスして気まずいだけだし。
1人でテキトーに観光でもして戻ろうかしら。
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