姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

「――成程、それでクラスメイトと大喧嘩した結果、気づいたらはぐれてしまっていたということなんですね?」

なんかよくわからないけど、置いてけぼりにされた話もまるっと喋っちゃってるし。

オチは“置いてけぼり”じゃダサいから、はぐれたって改変はしたけど。

「そうだって言ってるでしょ!
だから1人で観光でもしようかと思ってたとこ!」

「そうでしたか。
私も迷子になっていたところだったので、ご一緒できてよかったです!」

ピッカーン。

……と音がしそうな満面の笑顔。
女から悪意のない全力笑顔なんて初めて向けられたから心臓がザワザワする!

これはこれで苦手だ!

眩暈がしてきて視線を宙に彷徨わせていると、カフェの店員が抹茶パフェを2つ運んできた。

栗谷天音が「わぁ」と華やかなパフェに目を奪われている間に、私もパフェに集中することにした。

1番上は抹茶のソフトクリーム。抹茶の粉末もかかってて、ほろ苦いのに甘くて美味しい。
トッピングの小豆と白玉も最高。

向かい側では栗谷天音がペラペラと1人で喋っているけど気にしない。
反応したら奴のペースに巻き込まれて、なんか負ける気がするから。

そう思っていたのに、敵は突然とんでもないことを口にした。
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