姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
***
午後の時間はクイズラリーのオリエンテーションが始まった。

だだっ広い雑木林の敷地内にある各ポイントを、雑な地図を頼りに探すアレ。

ポイントにあるクイズを解いて、ゴールを目指し、最終的に正解数が多いグループが優勝になる。

ちなみに優勝の景品は、校章入りのノートと鉛筆。普通にいらない。


くっっっだらな。


もはや獣道に近い足場の悪い順路を、私は内心うんざりしながら歩く。


周りには幸運にも私と同じグループになれて浮き足立つ男2人。

そのちょっと後ろでめちゃくちゃ不満顔でコソコソ何か言ってる女子2人。


ちなみにびっくり馬鹿・金髪も班にいたのに、「お前といるとロクなことがねぇ!」と逃げてった。


……いや、それこっちのセリフだからね?

誰のせいでカレー白飯なしで食べることになったと思ってんだ。


そんなことを思ってもぶつける相手がいないんじゃしょうがない。

「次どこにする?」「こう行った方が効率がー……」
と両サイドでなにやら話しかけられている気がするけど、テキトーに微笑んで流した。


「ねぇ、次こっちじゃない?」

「いや!絶対あっちだって。」

「えー?」

茂みの向こうで別のグループの声がする。
男女関係なくみんなで地図を覗き込んで、きゃっきゃと楽しそうに笑っている。


(…クソみたいな青春イベント。)


その笑い声が煩わしくて、心の中で舌打ちする。

暑いし、疲れるし、楽しくないし。
こんなくだらないことで盛り上がれるやつって、本当にくだらない。



「あっれぇ〜?ひーちゃん?」

モヤモヤとしていたら、前からふわふわした声がした。
ハッとして前方を見れば、そこにいたのは榛名聖with 女。

あれ、こっちと男女逆バージョン。
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