姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
「友達ではない。
ちょっと世話にはなったしいろいろ話したりはしたけど……
あとなんか、姫ちゃんとかなんとか呼ばれて……
いや、とにかく友達じゃない。
友達になろうとか言われていないもの。」
なぜか恥ずかしい気がしてモゴモゴと口先だけで喋る。
聞き取りづらく歯切れも悪い私の言葉を最後まで聞いていた近江涼介が、“やれやれ”とでも言いたげにため息をついた。
「“友達になろう”っていちいち確認して友達になる奴なんて、今時小学生でもいないと思うけど。」
「えっそうなの!?」
思わず大きな声が出てしまって、集まる視線に可愛い笑顔を向けて誤魔化す。
言われてみれば確かに、近江涼介達と友達になった時もそんな確認していなかったかもしれない。
――していないのに、奴らは私を“友達”と称してくれたのだ。