姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
「いや、まぁ、2人か…とは正直思った。けどデートとかそんなつもりじゃねぇし。
別にアイツを好……、……アイツへの見方が変わったからと言ってどうこうしようとか思ってねぇし……。」
俯きがちに照れる真の様子を見て、今度は閉口してしまう。
しっかり意識してるじゃねぇか!と心の中でツッコんだのを、深いため息に変えて口から出した。
「甘い!甘いよまーくん。
恋愛なんてね、今どうする気もなくてもちょっとしたきっかけで次々欲が湧いてくるものなんだから!
ちゃんと自制してよね!?」
「な゛……ッ!お前に恋愛の何がわかんだよ!」
「少なくともまーくんの数倍は酸いも甘いも経験済みだよ。あ、0に何掛けても0だから足し算が正しいかぁ。」
「おい、お前今バカにしただろ。」
「ええ〜?どうかな?
とにかく、まーくんの生まれたてピュアな恋心を絶対にひーちゃんに気取られないこと!わかった!?」
「わかったけど……
なんで聖にそんなこと言われなきゃなんねーんだよ……。」
若干納得がいかないながらも、珍しく厳しく引き締まった表情をしている聖の剣幕に圧されて、真は渋々頷いた。
――その約束が、守れないものだと自覚もせずに。