姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

「別にしてないけど?天音ちゃんに協力するために席外しただけだし。
っていうか私の顔が変な時なんて、一瞬たりともないけど?」

「協力ってなんだよ。」

「それは天音ちゃんが近江涼介を好――…………。
別になんでもいいでしょ!」

とと、あぶないあぶない。
広瀬真の誘導尋問でさらっと友達の秘めた恋心を暴露してしまうところだった。

広瀬真はまだ釈然としない様な顔をしている。
何がそんなに気になるっていうのか。

「ひーちゃんは栗谷さんが涼ちゃんに好意を持ってるから、気を遣って涼ちゃんと栗谷さんを2人にしてあげたんだよ〜。」

おお――――――――い!!

爽やかな笑顔でサラッと暴露した榛名聖を目玉が飛び出す勢いで見る。

ていうかなんで知ってるの!?やっぱりエスパー!?
私何も言ってないのに。怖すぎるんだが。

恐れ慄いている私を横目に、榛名聖は「俺もいたんだけどね⭐︎」と1人けろっとしている。

広瀬真はというと、一瞬何かに気づいた様にハッとして眉間の皺を更に深めた。

「栗谷は良くても涼介からしたら迷惑なんじゃねーの?
ウザいだろ、そういうの。」

ぐっ。
……それは考えなかったわけじゃない。

でも近江涼介なら嫌なら全力スルーするだろうし、天音ちゃんはいい子だし。

それに、今ここにいないってことは…………つまり、そういうことだ。

「その後2人が仲良くなれば問題ないもん。
終わりよければ全て良し!モーマンタイ。」

「じゃあなんでそんな顔してんだよ。」

「えっ。」

広瀬真は険しい顔なのに、瞳が揺らいで切なそうな顔をして私を見ている。

私は自分が今どんな顔をしているかわからない。

だけどずっと心が痛くて、それを強がりで誤魔化していたことには気付いてしまった。
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