姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
Ep.204 兄ちゃんに相談だ
お茶とお菓子を用意して、私と傑兄ちゃんはリビングのソファに並んで座る。
初めての“妹からの相談”に傑兄ちゃんは神妙な顔を取り繕いつつ、ニヤけるのを隠しきれていない。
何かあれば頼るのは大体渉兄ちゃんだったから、珍しく頼られたのが嬉しかったのだろう。
「……相談というか、聞きたいことなんだけど……。」
言いかけて、言葉に詰まる。
でも、意を決して切り出した。
「傑兄ちゃんは、友達が自分のことを好きって知っちゃったらどうする!?」
それまで喜びでソワソワしていた傑兄ちゃんが、一瞬で青ざめて狼狽えだす。
「え!?姫!?アイツらの内の誰かに好かれてるの!?
いや、ウチの姫は可愛すぎるから世界中の男が好きになるとは思うんだけど、アイツらだけは耐性あるって思ってたのに!?!?」
「あ――……違う違う。あの、友達の話で……」
「姫の友達なんてアイツらしかいないじゃん!!」
「……ハッそうだった!イヤ違う!
あの、そう。漫画!漫画の話!!」
「なんだ、漫画か。姫、最近よく読んでるもんな。
あー焦った。アイツら殺しに行くところだった。」
傑兄ちゃんが私の言うことを丸っと信じるシスコンで助かった。
なんとか誤魔化せてホッと安堵の息を吐く。
「兄ちゃんは女友達多いけど、モテるでしょ?そういうこともあるかなって思って――……」
「まぁ、俺顔いいしな〜。
あ、コイツ俺に好意あるなってことは割とあるかな。」
傑兄ちゃんはなんでもないことのようにサラッとそう言ったから、私達はやっぱり兄妹だと思った。
「……そういう時はさ、その人に対してどうするの?」
「別にどうもしない。」
「えっ」
間髪入れずに出た回答に驚いて変な声が出た。
隣でアセアセと口と目を開いたり閉じたりしている私に気付かず、傑兄ちゃんは話し続ける。