姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―
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夕方、例によって例の如く1日中ぐるぐる悩み続けて満身創痍で帰路に着く。
天音ちゃんや広瀬真に、どうするのが1番いいのかわからない。
――迷う理由はわかっている。
私の気持ちが、言動が、彼らを傷つける可能性もあるって思っているからだ。
(だから、このまま気づかないフリをするのが正解な気もしているのよね……。)
マンションのエントランスを潜って、エレベーターに乗り込む。
4階で降りて自分の家の前まで来ると、鍵を開けて中に入った。
「ひーめーっ!おっかえり〜!」
リビングから爆速で走ってきた傑兄ちゃんが、タックルするかのように私に抱きついてきた。
「傑兄ちゃん……ウザい。」
「えー?そこはただいまだろ?
素直じゃない姫もかわいいけど。」
傑兄ちゃんがようやく私を解放して、態とらしく唇を尖らせる。
可愛くもない実兄のそんな顔を見て、思い出す。
世間的には私にそっくりで可愛い顔をしている彼は、そういえば友達100人のモテ男だと言うことを。
「傑兄ちゃん……ちょっと相談があるんだけど。」