姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

***
夕方、例によって例の如く1日中ぐるぐる悩み続けて満身創痍で帰路に着く。

天音ちゃんや広瀬真に、どうするのが1番いいのかわからない。

――迷う理由はわかっている。
私の気持ちが、言動が、彼らを傷つける可能性もあるって思っているからだ。

(だから、このまま気づかないフリをするのが正解な気もしているのよね……。)

マンションのエントランスを潜って、エレベーターに乗り込む。
4階で降りて自分の家の前まで来ると、鍵を開けて中に入った。

「ひーめーっ!おっかえり〜!」

リビングから爆速で走ってきた傑兄ちゃんが、タックルするかのように私に抱きついてきた。

「傑兄ちゃん……ウザい。」

「えー?そこはただいまだろ?
素直じゃない姫もかわいいけど。」

傑兄ちゃんがようやく私を解放して、態とらしく唇を尖らせる。

可愛くもない実兄のそんな顔を見て、思い出す。

世間的には私にそっくりで可愛い顔をしている彼は、そういえば友達100人のモテ男だと言うことを。

「傑兄ちゃん……ちょっと相談があるんだけど。」
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