姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

Ep.215 まっすぐな想い


覚悟を決めた私を見て、広瀬真は一瞬笑う。

切なさともホッとしたとも愛しさともとれる、いろんな感情が垣間見える笑顔だった。

そして、また真面目な顔に戻ると一度深く深呼吸をしてハッキリとした声で言った。


「俺は姫のことが好きだ。」


――聞いた瞬間、ドクンと心臓が痛いくらい強く脈を打つ。

さっきまで“逸らしちゃいけない”と思っていたのに。
その真剣な声や視線や態度に射抜かれて、今は目が逸らせない。


「めちゃくちゃやってバカみたいに真っ直ぐ突き進み続けるところも、
理由は気持ち悪ぃけど目的のために努力を惜しまない真面目さも、
意外と情に厚いところも、
下手くそな優しさや強さも全部。

“俺”を理解って、俺のことで怒ってくれたあの日から。

多分ずっと好きだった!」


(そんな、そんなの……ずっとずっと前のことじゃんか。)


『誰よりも他人に寄り添える、思いやりのあるいい奴なんです!
そんな広瀬真の話を少しも聞かないなんて、このバカ親がァ!!!』

広瀬真の家で、バカ親父に怒鳴り散らかしたあの日のことだと思い出す。


いろんな感情がぐちゃぐちゃになって、キュッと胸を締め付けて息が苦しい。

告白なんて、今まで数え切れないくらいされてきたけど、こんな気持ちになるのは初めてだ。
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