姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

Ep.229 観覧車


メリーゴーランドから出た後、少し遅めのお昼を食べた。

フードコートの一角で、向かい合って座ってご飯を食べながら私はご満悦な表情だ。


「はー、面白かった!
……あ、でも近江涼介は実は嫌だったりしたんだっけ?」


そういえば“箸休め”と言っていたと思い出して、ちょっと気まずくご機嫌伺いをする。

近江涼介はストローでジュースを飲みながら淡々と言った。

「連発がキツイだけで嫌だったとかではない。
楽しそうな姫が見られて面白かったし。」

笑ってる。
目も細くなって、口元も眉も緩んだ優しい笑顔だ。


(なんか今日、甘すぎじゃない?)


ぷすんと全身の力が抜ける。
悔しいけどドキドキして、口をへの字に結んで下を向く。


恋の病恐るべし。
近江涼介がキラキラオーラを放っているように見えた。
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