姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

ちょっとノスタルジックな気持ちになって、改めて大きな向日葵の花を見上げた私の横顔を見て、榛名聖は柔らかに双眸を細める。

「向日葵が似合うよね、ひーちゃんって。」

「え?」

そんなこと初めて言われた。
目が痛くなるほど強いコントラストを放つ夏の花は“可憐で清楚”なイメージにそぐわないから。

何回か見知らぬジャガイモに貰った花束も、いつも淡いパステル調の色味だったし。

珍しく見当違いなことを言った榛名聖の方を見る。

夏の日差しに溶けるように、キャラメルブラウンの髪がキラキラと輝く。
その笑顔はまるでひだまりのようだった。

榛名聖は少しだけ黙った。向日葵の影が長く伸びていく。

「……今日はさ、息抜きになった〜?
最近勉強ばっかりだったでしょ。」


私のためにみんなを誘ったの?
……なんて、自惚れ過ぎか。

“私達”が勉強ばかりだったから、気を遣ってくれたってことなのだろう。
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