姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

取り出して最初の数ページを開いてみるけど中は真っ白。
ただの未使用のノートかと引き出しに戻そうとすると、中から細長い光沢のある白い紙が落ちてきた。

拾い上げて裏を捲るとまた驚いた。
近江涼介達といつか撮ったプリクラだ。

「ふはっ……懐かしー。」

小さな写真の中でも私達はドタバタやっている。

広瀬真が仏頂面で、榛名聖はヘラヘラしていて、近江涼介は私に腕を掴まれて迷惑そうな無表情。
そんな奴らの中央で私は得意げに笑っている。

プリントシールに切り取られた一場面が今、とても眩しく見える。
確かこの頃も“初めてできた友達”に浮かれてよく見返していた気がする。そのうちどこかへいってしまったけど、こんなわかりづらいところに隠していたのか。

「いろんなことがあったなぁ。」

2年前のことが今は遠い昔のことのよう。
そのくらい近江涼介や広瀬真、榛名聖と出会ってからの毎日は騒がしくて色濃くて、思い出がギュッと詰まった日々だった。

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