姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

「ん゛――なんだっけ、これ……。」

2、3問進めたところで行き詰まる。
確かこれ、高1の教科書に似たような応用問題があった気がする。

机の1番下のもう使っていない教科書を入れた引き出しを開ける。

(高1のテキストだから、一番奥の辺りのはず……。)

そう思って最奥のテキストから取り出した時、表紙に大きく書かれた“男好き”の文字に驚いて心臓が凍った。

「――これ、中学の時のやつだ。」

“淫乱”だの“死ね”だの好き勝手書かれたボロボロの国語の教科書。

とってあったのか。捨てたと思っていたのに。


――いや、捨てないか。私だもん。

授業中に書かれた悪口を音読して意趣返ししてやった勲章くらいに思っていそうだ。

捻くれてるなと自分で自分に苦笑する。

「……なんだろこれ?」

もうクタクタのそれを床に放り投げて再び目当ての教科書探しに戻ると、次はA5サイズのピンク色のリングノートを見つけた。

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