誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
「実はちょっと困った人なんですよね。
 社内でもし、出会うことがあるようでしたら、ご注意ください」

 それは、どうご注意したら――?

「あの、どんな方なんですか?」

 そうですねえ、と若田は考えたあとで言う。

「社長をもっとマイルドにして、愛想良くした感じですかね?」

 ――それはまったくの別人ですよね……。

「あ、じゃあ、ほたるさん。
 僕はこれで。

 失礼します~」

 真田部長~とか言いながら、若田は行ってしまった。

 あの、有働と呼んでくださいと言ったはずですが……。
 いや、まあ、どっちでもいいんですけどね、と思ったとき、背後から課長が、

「やあ、待たせてしまいましたね」
と言いながら、やってきた。

 大学時代の友人がこの会社にいるのだと言う。

 久しぶりに話せたらしく、楽しそうだった。
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