誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
 


「美春さん、どうでした?
 若田さんの彼女だったんですか? あの人」

「そうみたい」

「私、見てなかったですっ。
 どんな人でした?」

「ああ、素敵な人だったみたいよ」
と言う美春は、ほたるが明巳の嫁だとは知らなかった。

「飯島さんが書類だけのやりとりだけど、一緒に仕事したことがあるんだって。
 結構キレる人らしいわよ」
と微笑む美春は、ほたるが明巳の嫁だとは知らなかった。

 明巳の結婚が気に入らず、結婚式に出席していなかったからだ。

 ――どうせ押し付けられた結婚でしょう?

 そんな人とは気も合わないだろうし。
 きっと、すぐに別れるわ。

 押し付けられた結婚は間違いなかったのだが、二人はそう気が合わないこともなかった。

 


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