誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
 


 実はそれは、美春の差金だった。

 ふふふ。
 とりあえず、二人の愛の巣をとりあげてやるわっ。

 結婚してからのたくさんの思い出が詰まった家を失うがいい。

 うちの家の近くに住むように誘導してもいいわね。

 そんなこと策略を巡らせている頃、確かに、ほたるたちは動揺していた。

「なんか寂しくなりますよね」

「まあ、そうだな。
 望んで買った家ではないが。

 今となっては、お前との思い出がいっぱい詰まった家になってるしな」

 一瞬、どきりとしてしまったが、そう言う明巳が見ていたのは、啓介が現れたあのキッチンの小窓だった。

 ……それは私との思い出ではないのでは?

 だが、一応、明巳は二人の思い出を語る。

「最初にこの家のソファで出会ったんだったな」

 初めて出会ったのは、式場ですよ。
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