誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
 


 この人、もしかして、明巳さんがお好きなのかな?

 ……お譲りするべきだろうか、とほたるは一瞬、思う。

 だが、ほたるは今の生活が気に入っていた。

 主に、大学生がルームシェアしているような気楽さが――。

 美春は自分だけが明巳のことを知っているかのように、いろいろ過去の明巳の話をしている。

 それはそれで聞いていて面白いのだが、このままでは押し負けてしまうっ、と思ったほたるは頑張って言ってみた。

「わ、私だって、私しか知らない明巳さんとかありますからっ」

 急に反撃された美春が鼻白む。

「な、なによ。
 明巳さんの寝顔とか言うんじゃないでしょうねっ」

「寝顔は見たことないですっ」

「……いや、なんでよ、妻」
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