誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
 


 明巳と向かい合って食事をしていると、なんとなく美春のことを思い出してしまう。

 顔が似ているからだろうか。

 でも本当に綺麗な人だったな、とほたるは思う。

 ――もしかして、明巳さんのほうも、美春さんに気があったりするのだろうか。

 私とよりはお似合いな気がするけど。

 そんなことを考えながら、後片付けをしていると、いつもはサッと手伝ってくれる明巳が、椅子に座ったまま、ぼんやりしていた。

 さっきからの流れで、
 もしや、美春さんのことを考えていたとかっ?

 二人は同じ会社だしっ、とか思ってしまう。

 そのとき、明巳がようやくほたるがひとりで片付けていることに気づいたようだった。

 こちらを振り向き、笑って言う。

「ああ、すまん。
 ちょっと疲れて死んでた」

 いつもなら笑うところなのに、
「じゃあ死に終わったら、手伝ってください」
と素っ気なく言ってしまう。

 はっ。
 口調が冷たくなってしまった。
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