誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
 



 次の日、職場で明巳は言った。

「昨日、某ほたるが言ってたんだが」

「……某ほたるって。
 社長の周りには一人しかいないじゃないですか」

「飛んでるやつかもしれないだろ?」

「個別認識してるんですか? ホタル」

 などという会話をしたあと、明巳はようやく本題に入った。

「昨日、修行に出されてたじゃないか、俺」

「こっちの仕事が滞るので、そういうの、そろそろやめていただきたいんですが」
と言われたが、カッとなって修行に出すのはじいさんなので、自分に言われても困るな、と明巳は思う。

「ほたるが女性の扱いはもう充分だと言うんだよ。
 俺は自分でも女性にはあまり気を使えない方だと思うんだが」

 すると、若田が笑って言った。

「それはあれじゃないですか?
 嫉妬ですよ、きっと。

 ほたるさん、社長が、客の女性にやさしくするところを見たくないんですよ」
< 174 / 277 >

この作品をシェア

pagetop