誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
「さっき、お前に告白する覚悟を決めたところだったのに。

 帰ってきたら、お前は、まるですでに俺の妻で一緒に暮らしているような感じで家にいて――」

 いや、実際、そうなんですけどね。

「それで、なにか気がそがれて、告白しそびれたから。
 ちょっと別々に暮らしてみようかと思ったんだが」

 ……だから、もう告白してますよ。

「あの~、でも、ここはもともと明巳さんの家なので。
 別々に暮らすのなら、私が例のマンションに出ていけばいいのではないでしょうか?」

「それをやると、俺に不満があってお前が出ていったって、早島のお父さんたちに思われないか?」

「それはあらかじめ、言っておきますよ」

 明巳は沈黙し、いろいろと想像してみたらしい。

 そして、
「お前が出ていくのなら、俺も出ていく」
と言い出した。

「お前がいないこの家に、ひとりでいるとか耐えられない」

 そう言ったあとで、明巳は、ハッとした顔で、
「待てよ」
と言う。

「そんなことしたら、この家がカラになるなっ。
 俺たちの愛の巣がっ」

「……愛の巣なんですか?」
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