誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~


 なんだかんだ揉めて、二人は結局、ほたるのマンションに来ていた。

 二人でベランダに立ち、夜景を眺める。

 途中買ってきたワインを明巳がグラスに注いで渡してくれた。

 そういえば、晩ご飯食べてません、と思ったが。

 この雰囲気を壊したくなくて、ほたるは黙っていた。

 明巳の方は胸がいっぱいでお腹は空いていなかった。

 そういう意味では、ほたるの方が余裕があったのかもしれない。

 並んで夜風に吹かれていると、明巳が訊いてくる。

「……うーん。
 そうだな。

 お前はどんな風に告白されたい?」

「そんなこと訊かれて、そのままやられても、私が言わせたみたいで嫌なんですが……」

「なんて言おうかな」

 だから、それを私の前で考えるの、おかしいです、
とほたるが思ったとき、明巳はこちらを向いて、

「お前も考えろ」
と言ってきた。
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