誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
「土産はさっき、横山にやっちゃったから――」

「おい、横山って誰だ?」
と小声で明巳が訊いてくる。

「編集さんですよ」

「土産代わりにこの家で労働してやろう。
 このどうしようもない家を片付けるんだ!」

 どうしようもない感じの人に、どうしようもない家と言われてしまったっ、と明巳はショックを受けているが。

「いや、この人、すごいいい加減なんですけど。
 スイッチが入ると、異常に几帳面になるんです。

 タオルとか定規で測って畳んだのかって感じで……」

 ほたるがそう説明している間にもう、啓介はスリッパの音をペタペタさせながら、キッチンを出て行ってしまっていた。

「玄関からこのキッチンまではいいが。
 他すごいじゃないか。

 なんで、こんなに散らかしてんだ、ほたる」

 扉が開いたままの薄暗い部屋などを眺めながら啓介が言う。
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