誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
「我々の手でなにかしてみるしかないな」

「そうですねえ。
 じゃあ、喧嘩して仲直りするとか?」

「それはいいかもしれないな」
と明巳が身を乗り出す。

「喧嘩したあと、家を飛び出すとかどうだ?」
「あ、いいですねー」

 盛り上がりそうです、とほたるは言ったが、明巳はそこで眉をひそめた。

「いや、待て。
 ほんとうに飛び出していって、夜の街とかでなにかあったらいけないな」

「安全に家出する場所があればいいですけどね」

 あ、とほたるは手を打った。

「そういえば、もらったけど行ったことがないマンションならありますよ。
 緑町にあります」

「……俺に行き先を言ったら家出ではないのでは」
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