誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
 くつろげる汚い家とくつろげる美しいマンションの共通項……。

 明巳の目に、妻、ほたるが映った。

 もしや、妻かっ。

 俺は妻といるとくつろげるのかっ!?

 最近出会ったばかりの赤の他人なのにっ?

 そう思う明巳の前で、ほたるは何故か、延々と留守番電話について語っている。

「スマホの留守番電話、カスタムにできるじゃないですか。
 それで、いろいろ吹き込んでみてたんですよ。

 あるとき、ずっとそこに創作昔話みたいなのを連載してたら――」

「なにやってるんだ。
 さすが、作家の娘だな……」

「いや、小日向さんとはあんまり一緒に暮らしてはないんですけどね。
 まあ、ともかく、そうやって吹き込んでたんですけど。

 応答メッセージが長いと友人たちには不評なうえに、小日向さんに、展開が甘い、ボツッって言われてやめちゃったんですよね」

「……なにやってるんだ」

 明巳はもう一度、そう言ってしまった。
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