秘めた恋は、焔よりも深く。
「……そばにいて欲しいんだ」
龍之介の声は低く、しかし揺るぎなかった。
「同棲って言葉じゃ足りない。俺は、美咲を……人生の伴侶として、この先を一緒に生きたい」
真っ直ぐに向けられた視線に、美咲の胸が熱くなる。
昨夜、冗談めかして「同棲ってこと?」と口にした自分の軽さが、今は恥ずかしいほどだった。
龍之介はそっと美咲の手を握った。
その手を逃さぬように、温もりを確かめながら言葉を紡ぐ。
「……愛してしまったんだ。唯一無二の女《ひと》として」
低く震える声は、告白というよりも誓いに近かった。
その真摯な眼差しに、美咲の胸の奥が熱く揺れる。
美咲の返事を待つ前に、龍之介は深く息を吸い込んだ。
「……その前に、伝えなければならないことがあるんだ」
「え?」
美咲が目を瞬かせる。
「俺は……子供を作ることが出来ないんだ」
その言葉に、美咲の心臓が大きく跳ねた。
ハッとしたまま、言葉を失う。
「無精子症なんだ」
龍之介の低い声が、沈黙の中に重く落ちる。
「だから……もし美咲がお前自身の子供を望んでも、俺には叶えてやれない」
眉間に深い影を落としながら、苦しげに続けた。
「……勝手だが、それでも……お前のことは、もう手放せないんだ」
美咲は静かに龍之介の手を握り返した。
そのぬくもりに、彼の苦しげな表情がわずかに揺れる。
「……そうだったのね」
美咲は目を伏せ、それからゆっくりと顔を上げた。
「あのね、私……以前に離婚しているの」
龍之介の目が見開かれる。
「その理由がね……子供が出来なかったことなの」
「……え?」
今度は龍之介が息を呑む番だった。
彼女の言葉は、深く心に突き刺さり、同時に思いも寄らぬ救いのようにも響いた。
「病院で調べても、原因はわからなくて……」
美咲は視線を落とし、苦しそうに言葉を紡いだ。
「でも、別れた元夫は……再婚相手との間に子供がいるって聞いたの。だから私は……子供を産めない体なのよね」
龍之介の胸が締めつけられる。
美咲の声には、かつての痛みと悔しさがにじんでいた。
「当時は……本当に苦しかったわ。でも、時間が経って……いまは可愛い甥や姪がいてくれる。
だから、母親になることは……もう諦めたの」
そう言ってかすかに微笑んだ美咲の横顔が、龍之介の胸を深く揺さぶった。
「……美咲」
龍之介は彼女の手を強く握り、真っ直ぐに視線を注いだ。
苦しみを吐露し合ったばかりの空気を切り裂くように、低く力強い声が響いた。
「今すぐ結婚しよう」
真剣な眼差しに射抜かれ、美咲の心臓が大きく跳ねる。
その迫り方は強引で、それでいて揺るぎない決意に満ちていた。
その言葉の重さに、美咲は息を呑み、視線を伏せた。
返事をしようと唇が震えるのに、声が出てこない。
沈黙が流れる。
「……美咲?」
龍之介の胸に焦りが募っていく。
握る手に、自然と力がこもった。
「どうしたら……イエスって言ってくれるんだ?」
苦しげに、切実に。
普段は決して見せない弱さをにじませて、彼は彼女を見つめた。
龍之介の声は低く、しかし揺るぎなかった。
「同棲って言葉じゃ足りない。俺は、美咲を……人生の伴侶として、この先を一緒に生きたい」
真っ直ぐに向けられた視線に、美咲の胸が熱くなる。
昨夜、冗談めかして「同棲ってこと?」と口にした自分の軽さが、今は恥ずかしいほどだった。
龍之介はそっと美咲の手を握った。
その手を逃さぬように、温もりを確かめながら言葉を紡ぐ。
「……愛してしまったんだ。唯一無二の女《ひと》として」
低く震える声は、告白というよりも誓いに近かった。
その真摯な眼差しに、美咲の胸の奥が熱く揺れる。
美咲の返事を待つ前に、龍之介は深く息を吸い込んだ。
「……その前に、伝えなければならないことがあるんだ」
「え?」
美咲が目を瞬かせる。
「俺は……子供を作ることが出来ないんだ」
その言葉に、美咲の心臓が大きく跳ねた。
ハッとしたまま、言葉を失う。
「無精子症なんだ」
龍之介の低い声が、沈黙の中に重く落ちる。
「だから……もし美咲がお前自身の子供を望んでも、俺には叶えてやれない」
眉間に深い影を落としながら、苦しげに続けた。
「……勝手だが、それでも……お前のことは、もう手放せないんだ」
美咲は静かに龍之介の手を握り返した。
そのぬくもりに、彼の苦しげな表情がわずかに揺れる。
「……そうだったのね」
美咲は目を伏せ、それからゆっくりと顔を上げた。
「あのね、私……以前に離婚しているの」
龍之介の目が見開かれる。
「その理由がね……子供が出来なかったことなの」
「……え?」
今度は龍之介が息を呑む番だった。
彼女の言葉は、深く心に突き刺さり、同時に思いも寄らぬ救いのようにも響いた。
「病院で調べても、原因はわからなくて……」
美咲は視線を落とし、苦しそうに言葉を紡いだ。
「でも、別れた元夫は……再婚相手との間に子供がいるって聞いたの。だから私は……子供を産めない体なのよね」
龍之介の胸が締めつけられる。
美咲の声には、かつての痛みと悔しさがにじんでいた。
「当時は……本当に苦しかったわ。でも、時間が経って……いまは可愛い甥や姪がいてくれる。
だから、母親になることは……もう諦めたの」
そう言ってかすかに微笑んだ美咲の横顔が、龍之介の胸を深く揺さぶった。
「……美咲」
龍之介は彼女の手を強く握り、真っ直ぐに視線を注いだ。
苦しみを吐露し合ったばかりの空気を切り裂くように、低く力強い声が響いた。
「今すぐ結婚しよう」
真剣な眼差しに射抜かれ、美咲の心臓が大きく跳ねる。
その迫り方は強引で、それでいて揺るぎない決意に満ちていた。
その言葉の重さに、美咲は息を呑み、視線を伏せた。
返事をしようと唇が震えるのに、声が出てこない。
沈黙が流れる。
「……美咲?」
龍之介の胸に焦りが募っていく。
握る手に、自然と力がこもった。
「どうしたら……イエスって言ってくれるんだ?」
苦しげに、切実に。
普段は決して見せない弱さをにじませて、彼は彼女を見つめた。