日ノ本元号男子
明治6年。
帰ってきた岩倉使節団だが、何か議会の様子が変わっていた。
留守政府は解体され、西郷さんは明治六年の政変で政府に戻ることはなかった。
その空白を縫うように、存在感を強めていった人物がいる。
―――大隈重信(おおくましげのぶ)
色んな政治家に切り込んでいく政治スタイルで存在感を放つ大隈さんを、世間はめっちゃチヤホヤするのでした。
「大隈重信公、国会開設急進(きゅうしん)論を唱え......」
議会の二階で新聞を読んでいる。新聞も世間話も大隈さん一色。でも、後の初代総理大臣は伊藤さんだし、この流れなら大隈さんが初代総理大臣でもおかしくないはずなんだけど......。
しかも大隈さん、議会から追い出されるし......何で?
明治さんが見せてくれた新聞の見出しには『大隈重信公、不祥事を暴く!』『大隈公の歯に衣着せぬもの言いが若者に人気!』
「この流れもあって、対立姿勢だった伊藤さんと大隈さんは和解することになります。......表面上は」
一階の議会で握手しているのは、伊藤さんと大隈さん。
他の議員達もわいわいしている。楽しそうだなぁ......。
議論はいつの間にかクライマックスに近づいていた。
ドイツを参考にじっくり案を練るべきだという漸進(ぜんしん)派の伊藤さん。
イギリスを参考にすぐにでも国会開設を急ぐべし!急進派の大隈さん。
「伊藤さん、ガツンとお願いします!」
「大隈さん!負けないで!」
「大隈さん派は減ったけど、いなくなった訳じゃねぇからな!数ばっか揃えやがって!」
「数を揃えるのは政治では正当法!それに、伊藤さんの考える国会案は優秀だ!」
議員による伊藤さん派と大隈さん派の対立。
「何だか伊藤さん派の方が優勢な気が......」
「どうやら伊藤さんが大隈さん支持層の切り崩しに成功したみたいですね」
喧嘩祭り状態の議会。
「留守政府が入れ替わった明治六年の政変。今見ている対立が明治十四年ですね」
そして、大隈重信は政界から去った。
その後ろ姿はえらく堂々としており、爽やかであった......!
「それでは、『明治時代クイズ』です!」
「いきなり!?」
明治さんが問題の書かれたスケッチブックを私に向ける。
「明治初期、廃藩置県(はいはんちけん)によって何かが生まれました。それは何か分かるかな?ヒントは君のところだと"けん"ですね」
「私は......けん?」
廃藩置県って確か、藩を廃止して県を置きましょうってやつじゃ......あっ!
私はぱんっと手を打つ。
「都道府県!!」
「正解です!詳しく言えば『市制(しせい)町村制(ちょうそんせい)』今の都道府県に繋がる重要な改革ですね」
(けん......って、滋賀県のことだったのか〜!四十七都道府県、小学生の時覚えさせられたんだよね......関東と九州がボロボロだった思い出がある)
「ちなみに最初は三府と二百二県だったんですよ!」
「多すぎ!!」
三府とは、東京、京都、大阪のことらしい。
「当時の国民もそう思ったのか、多すぎ!という意見が相次ぎ、同年に藩統合されて三府と七十二県までシェイプアップしました」
それでも多い!!
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