朝まで、グラデーション
 気がつけば私は座ったまま眠っていた。しかも彼の肩に私の頭がもたれかかって。

「あっ、ごめん」と勢いよく私は彼から離れる。
「うん、大丈夫だよ。美里、少しベッドで寝る?」
「そうしようかな……二十歳の頃は朝まで起きてるの平気だったのに、もう無理かも」
「分かる、そして最近は無理して起きてると、翌日には疲れがどっとくる」
「ね、今野と朝まで遊んでいた頃は全く次の日に疲れが来なくって、余裕で夜更かしできてたのになぁ……」

 話しながら私はベッドの上に座った。

「今野、また一緒に、寝る?」

 〝また一緒に〟

 そう、私は今野と朝まで過ごして、朝方一緒にベッドの中に入って眠ったことがある。だけど純粋に眠るだけで、男女の身体の関係は一切なかった。私の方は意識していたけれど、きっと彼は私のことを一切意識していなかったから、多分。

『手を出しても、いいんだよ』と、眠っている今野の背中を見つめながら何度も思っていた。

「いや、俺はソファーで眠るからいいよ。美里だけベッドで寝な?」
「うん、分かった。ありがとう」

 眠る時間が勿体なかったけど、眠気には勝てなくて少しだけ仮眠をとることにした。



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