子を奪われた私が、再婚先の家族に愛されて、本当の母になるまで



 それでも、あのときの私は何もできなかった。
 命をかけて産んだ子を、ほんの数分抱いただけで、手放した。
 愛されていない結婚。
 愛を知らない家庭。
 それでもあの子だけは、私の唯一の……。

 「……ごめんね……」

 布団の中で、そっと口元を塞ぐ。
 涙は、とっくに枯れていた。
 泣くのを許されない日々が、私の涙腺を壊してしまったのだ。

 侯爵家の嫁、という役目を担って嫁いで三年。
 私は一度も、夫に心から名を呼ばれたことがない。
 義母は私を「出来損ないの家柄だけの花瓶」と称し、侍女たちは私をただの“跡継ぎ製造機”として見ていた。


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