子を奪われた私が、再婚先の家族に愛されて、本当の母になるまで




「──おめでとうございます、男児でございます」

 誰かがそう告げた瞬間。
 私の心は一瞬だけ、満たされた。
 この子と生きていこう。そう思った。

 ──でも。

 「お渡しなさい、奥様。子は家のもの。母が持つものではございません」

 まるで、ぬいぐるみでも扱うように。
 まだ一声すらきちんと上げていない娘を、侍女の一人が奪うように取り上げた。
 私は止めようと、声を出した。叫ぼうとした。
 けれど身体は痛みに動かず、喉もかすれて声にならなかった。

 「よかったですね、奥様。お役目は果たしましたよ。しばらく静養なさって」

 「お子様には、お会いにならなくて結構ですわ。今後は乳母がつきますので」

 そんな──そんなことが、あっていいの?


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