君と青空
「…………日奈さん?大丈夫そ?」
2人で廊下を歩いていると、遊星さんが私の顔を心配そうに覗き込む。
「どしたん?……まさか二田先生が嫌とか笑?」
「いや、そーゆー事やないから!大丈夫!!」
にこりとマスク越しだから目でも必死に笑顔を作ってみせる。
「てか美玲莉さんちょいやばいよな」
「まぁ、でも結構そーゆー噂は聞いとったけどね、『やばい女の子が桜山小にいる』って」
「へーそうなん?日奈さん情報通やな笑」
「ふふっそうかな笑」
「てか本組織、学級代表一緒にやらん?」
「あーっと、ごめん。私班長やりたいんよね。」
「えーっ、そっか…」
「でも絶対、紅海弥さんやるくね?」
「あー、そやな笑」
堀林紅海弥(ほりばやしくうや)さん。
宮原小出身で遊星さんと仲の良い陽キャ男子。
いつの間にか玄関に着いていた。
「私車だから駐車場行くね。」
「バイバーイ!」
2人で手を振って車に乗り込む。
やっぱ遊星さん優しいな、
そう思った。