もう女じゃないなんて、言わせない
私も黙って起き上がり、着替える。

下着を整え、髪を手櫛でまとめる。

化粧直しもできないまま、鏡の前で口紅だけ塗り直した。

――もしかして、これで終わりかもしれない。

セックスもしなかった女に、悠真が執着する理由なんてない。

「抱きたい」って言ったのは、きっと気まぐれ。

私のためじゃなく、自分のための欲望だったのかもしれない。

部屋を出ると、フロント前の自動精算機の前で悠真が財布を取り出した。

「半分出すよ。」

私がそう言うと、彼は振り返って、軽く眉を上げた。

「……あのね、女はホテル代出すもんじゃないの。」

一瞬、言葉を失った。

でも、その声は思ったよりも優しくて、思わず胸が詰まる。

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