もう女じゃないなんて、言わせない
駅までの道のりを、二人は言葉少なに歩く。

そして、駅前の角で、悠真が立ち止まった。

「……また来週にでも、連絡するわ。」

その一言が、妙に自然で、妙に温かかった。

まるで何もなかったように。

でも、それはたぶん、何も終わっていないということ。

「……うん。」

私は小さく頷いた。

別れ際のキスも、抱擁もなかった。

ただ、手を振るでもなく、背を向けて歩き出す彼の背中を、私は目で追った。

そしてふと、思った。

――あの人、本当に連絡くれるかな。

心のどこかで、ほんの少しだけ期待している自分がいた。

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