恋するバッテリー

最悪な出会い

「ねぇ優芽」まだ一つ疑問に思ってることがある。「ん?」「隣の席で寝てる人っていつも寝てるの?」
結構優芽と近くで話してるのに全然起きる気配がない。「あ、陽翔また寝てるー!」陽翔っていうのかな?仲良くなれるといいなぁ
「ごめんね。こいつは私の双子の兄、木下陽翔(きのしたはると)。朝から野球の練習してて、いつも朝寝てるんだよね~」野球というワードにドキッとする。
言われてみれば二人とも元気っ子ぽい雰囲気とか、髪の色とかが少し似てるかも。「そうなんだ。」仲良くなれるといいなぁ
「陽翔!授業始まるよ!」優芽は毎日起こしてあげてるのかな…「ん~」目をこすりながら起きてきた彼は、眠そうにしながらも元気に声をかけてきた。「もう~!?ってか!君は誰~!?」自己紹介も聞いてなかったのか…と思ってると優芽が説明してくれた。「この子は佐藤凛音!今日からうちのクラスの転校生!」優芽に乗っかる形で私も挨拶をする。「よろしくね~」けれど返事はなく、私の事をまじまじと見つめてくる。私の顔なんかついてるのかな?「君、もしかして野球やってた?」
――は?
いやいや、気のせい気のせい!この人が知ってるはず無い!「き、気のせいじゃないかな~。人違いだよ~」
できるだけ平然を装って答える。「いや、俺が間違えるはずがない!」はぁ。これどうしたら…「ちょっと!凛音が困ってるでしょ!
授業始まるし後にして!」ゆ、優芽~!神~!とにかく助かった。とりあえず授業に集中しよう!

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