恋するバッテリー
授業が終わると、また隣の席のやつに話しかけられた。
「一回でいいからちょっと来てくれない?」はぁ。またかまあ断るのもめんどくさいし。「いいよ。でもこれからは頻繁に話しかけてこないでね。」ちょっと強く言いすぎたかな。「じゃあこっち来て!」腕を捕まれて連れてこられたのは空き教室。
「あの、ほんとに野球やってなかった?」どうするか。まあ本当のこと言わないと一生つきまとってきそうだし、「やってたけど」
すると陽翔?は目を輝かせながら興奮気味に話す。「やっぱそうだよね!俺、千葉県大会の準決勝見ててさ!りおに憧れて、りおとバッテリーが組んでみたくてキャッチャーになったんだ。」準決勝の時は自分でも良かったと思ってる。けどボールが選考することも多かったし。完璧とは言いがたい。でも、全く知らない人が褒めてくれるのは正直すごく嬉しい。「ありがとう」素直に嬉しい。
「でさ!俺の野球チームに来てくれない?見学だけでも良いからさ!」それは…どうしよう。と困っていると 
チャイムが鳴った。また助けられた!
「じゃ、授業始まるから!また後で!」私は駆け足で空き教室を出て行った。

ー放課後
「ちょっときて!」またこれかよ…また手を引っ張られてたどり着いたのは高速道路の下にあるネットで囲われた広場のような場所だった。そこには見覚えのある人が数名居た。確かこの人は優芽が言ってた。
ー回想
「あの人かっこよくない!?陽翔と同じチームの神楽青(かぐらあお)くん!イケメンでファンクラブもあるんだって!!」確かに整った顔立ちしてるな。「私、青くんが好きなんだ。昔、陽翔の応援に行って暑くて倒れちゃって。その時すぐ駆けつけて助けてくれてたの!」
顔だけじゃなくて中身もいい人なんだなあ
ーそして今
「君、確か転校生の」「はい!佐藤凛音です!よろしくお願いします!」「俺は神楽青。同級生だしタメ口で良いよ。」
「よろしく!青くん!」こんな感じで良いか。ていうかなんか近づいてきて…「ちょっと来て」っ…!?
耳元で囁かれて思わずドキドキする。こりゃモテるわ。
< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop