「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
社交界に咲く花の中で、私はただの“影”になってしまっている。

壁の花どころか──
もう、誰の目にも映っていないのかもしれない。

「……はぁ……」

胸が苦しくなって、私はそっと会場を抜け出した。

夜の空気はほんの少し冷たく、頬を撫でる風に救われる。

外の庭園には花壇があり、名も知らない小さな花たちが、月明かりの中で静かに咲いていた。

咲き誇っている。

誰に見られなくても、誰に褒められなくても。

それでも彼女たちは、誇らしく、堂々と咲いている。

「なのに、私は……」

誰かに見てほしくて、誰かに認められたくて、私は何もかも空回りしてばかり。

ベンチに腰を下ろして、ふぅっとため息を吐く。

「舞踏会のない世界へ行きたい……」

そんな呟きが口から漏れた、そのとき──

「なら、俺が連れて行ってやろうか?」

不意にかけられた低く静かな声に、私は驚いて顔を上げた。
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