「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
でも、彼はきっと悪気なんて一つもなくて。

ただ真っ直ぐに、私を想い、彼女を信頼しているだけなのだろう。

わかっている。わかっているのに。

私は手紙を折り、机の上に置いた。

胸の奥に沈殿するような、不安と孤独。

今、私の隣には誰もいない。

カイルの隣には、ティアナがいる。

それがただの事実であることが、時に一番苦しかった。

そして、カイルたちが東地方の浄化の旅を終え、王宮に帰還した。

長きにわたる二週間の旅。私は、ようやく戻ったその姿を見て、思わず胸を撫で下ろした。

「ご無事の帰還、何よりです。」

深くお辞儀をすると、カイルは私の方を見て、ほっとしたように微笑んだ。

「寂しかった?」

問いかける声は、まるでからかうようで、でもその奥に本物の優しさが滲んでいた。

「……毎日、手紙を頂いたので大丈夫でした。」

そう返した私の声は、少しだけ震えていたかもしれない。

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