「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
その時、隣からクスクスと小さな笑い声が聞こえた。

ティアナだった。

金の髪に陽光を受け、青い瞳が楽しげに細められている。

「皇子はホント、セレナ様が好きなんですね。」

その言葉に、私は一瞬、言葉を失った。

カイルは少しだけ眉をひそめて、冗談めかして言う。

「また、俺のこと皇子って言う。」

――私は、彼にとって本当に「特別」なのだろうか。

笑顔の裏で、ふとそんな疑問がよぎった。

けれど、そんな思いを打ち消すように、カイルがこちらを振り返り、私の手を取った。

「会いたかったよ、セレナ。」

その一言に、胸の棘が少しだけ溶けていくのを感じた。

……でも、まだ全部は消えていない。

そして──私が恐れていたことが、とうとう現実となった。

「ほら見ろ、またカイル殿下とティアナ様が話している。」

噴水のそば、柔らかな陽光の差し込む中庭。そこに立つふたりの姿を、何人もの宮廷関係者たちが目を留めていた。
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