「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
「浄化の打ち合わせか?……それにしても、仲がいいよな。」

耳を塞ぎたくなるような声が、あちこちから聞こえてくる。

確かに、カイルは穏やかな顔でティアナに何かを語りかけていた。

ティアナもまた、楽しげに微笑みながら頷いている。

その距離は、皇子と聖女という立場を越えて、まるで……長年寄り添ってきた戦友のようだった。

「また皇子は、聖剣を持ってる。魔物退治の時だけだって言ったでしょうに。」

「剣はいつも手に持っていた方が、馴染むんだよ、ってさ。……それに、ティアナの護衛だからな。万が一に備えて、ってやつか?」

誰も悪気があるわけではない。ただの噂話。ただの会話。

でも、私の心は冷たい水をかけられたようにざわめいた。

(どうして、こんなにも自然なの……)

私の知らない時間を、ふたりは共有してきた。

東の地で共に戦い、共に疲れ、互いを支えてきたのだろう。

言葉の節々から、目線の交わし方から、それがにじみ出ている。
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