「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
「私はもう、カイル殿下とティアナ様が結婚するって信じてるわ。」

その言葉に、胸がチクリと痛んだ。

(……そう。皆がそう思うのね。)

おとぎ話。憧れのカップル。運命の二人。

でも、その隣に立つと約束されたのは私のはずだった。

カイルの瞳に映る未来に、私がいると──そう信じていたのに。

(……もしかして、私は間違っていたの?)

まるで自分が、邪魔者のような気がしてきた。

本当は、最初から“彼女”がカイルに相応しいと、世界が決めていたのかもしれない。

唇を噛んだ。

笑顔で語る侍女たちの言葉が、刃のように突き刺さる。

「セレナ様?」

気づけば、目に涙が浮かんでいた。

咄嗟に袖で拭うと、ただ首を横に振った。

「……なんでもないわ。」

微笑んだつもりだったのに、その笑みはとても弱々しかった。
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