「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
カイルは公務と浄化の仕事に追われながらも、合間を縫って、私の屋敷に顔を出してくれる。

その日はほんの少しだけ早く陽が落ち、部屋の中に柔らかな夕陽が差し込んでいた。

「……ああ、セレナ。」

カイルが私をそっと抱きしめる。

その腕の中にいると、不思議と胸のざわめきが静まっていく。

「ありがとう、来てくれて。」

「当たり前だ。どんなに忙しくても、君に会わずにいられるか。」

そう言って微笑む彼に、少しだけ勇気を出して尋ねてみた。

「ねえ、カイル。……ティアナ様のこと、どう思っているの?」

一瞬、彼の動きが止まった。

けれどすぐに、カップに口をつけて、静かに答える。

「……あの者は、聖女になるべくしてなったのだと思う。」

その声はまっすぐで、曇りのない響きを持っていた。

それが何より、ティアナへの信頼の深さを物語っているようで──胸がチクリと痛んだ。
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